撮像素子(CCD)
撮像素子とは、被写体を撮影するための半導体素子のことです。CCDは撮像素子の1つの種類であり、他にCMOSと呼ばれるもがあります。デジタルカメラは、レンズを通して得た像(光)を撮像素子を用いて電気信号に変換しメモリに記憶します。CCDとCMOSは電気特性や信号の取り出し方の差はあれ、役割は同じです。
撮像素子は、フォトダイオードと呼ばれる小さな半導体が数百万個集まって構成されており、このフォトダイオード1つ1つが光を感じ取って電気信号に換える働きをします
一般に、1つのフォトダイオードは1つ画素に対応するため、600万画素のCCDは600万個のフォトダイオードで構成されていることになります。
撮像素子はフィルムを電気的な素子として置き換えたものですが、そこには大きな特徴の違いがあります。
1.光は感じ取れるが、色は感じ取れない。
2.小型化が容易である。
3.感度を自由に変更できる。
4.信号処理で像の拡大ができる。
5.パソコンで後から現像ができる。
(1)光は感じ取れるが、色は感じとれない。
一般的なCCDやCMOSは光の明暗しか感じ取れません。
これを解決するため、全てのフォトダイオードには赤、青、緑のフィルターのどれか1つが取り付けられています。
赤のフィルターが取り付けられたフォトダイオードは、赤色の光しか明暗を感じ取れなくなります。
青や緑のフィルターを取り付けられたフォトダイオードも、同様です。
例えば600万画素のCCDを例にすると、光の明暗は600万画素全てで判断しますが、色については3つのフォトダイオードで1つの色を判断しなければなりません。
デジタルカメラ内部の画像処理回路では、600万画素全てが正しい色になるように、それぞれの画素の色を計算しています。
(2)小型化が容易である。
半導体の製造技術は進歩していますので、それに伴い小型化も進んでいます。
現在、携帯電話で使用されている撮像素子は数ミリ単位のもので300万画素や400万画素
を実現しています。
コンパクトデジタルカメラは少し大きいですが、それでも縦、横が5ミリ~6ミリ程度のものが使われています。
(3)感度を自由に変更できる。
フィルムの場合、ISO100、200、400、800、1600という感度の違うラインナップが容易されていました。感度を変えるには、フィルムを交換するしかなかったのですが、デジタルカメラは全て電気信号化されているため、ISO感度そのものも1コマ単位で変更することが可能です。
(4)信号処理で像の拡大ができる。
電気信号化されているため、像の一部をデジタルカメラ内部で切り出したり、あるいは画素を作り出して(例えば400万画素を信号処理して800万画素相当に)拡大するなどが容易です。
(5)パソコンで後から現像ができる。
撮像素子で変換された電気信号は、デジタルカメラ内部の画像処理回路を通って画像データとなりますが、既にJPEGに変換されてしまっているため、これを後でパソコンで加工すると画質の劣化が発生します。
そこで一部のデジタルカメラでは撮像素子から読み出した画像信号をそのままメモリに記録し、パソコンで現像できいるようになっています。
これをROWデータと呼んでおり、画素を重視する一眼レフデジタルカメラでは必ず搭載されています。